ヨミ「また拓斗さんの別人格ですね?」
K「ああ。そうだ。拓斗の別人格は無数にいるからな」
ヨミ「どのくらいいるんでしょう?」
K「それはわからん。とにかくこの榊拓斗だが……こいつは危険だった」
ヨミ「といいますと?」
K「こいつと融合していたら拓斗は終わっていた、ということだ。それは単にただの無気力であったり、目的を見失った状態であるのかもしれない。とにかく何でもいい。そういう風になっていた危険性がある、ということなんだ」
ヨミ「融合しないほうがいい拓斗さんもいる、ということなんですね?」
K「それはむしろ誰の中にも存在すると思うんだよな。そいつの――つまり自分の中のもろい部分だったり、弱い部分だったりする」
ヨミ「Kさんにもそれはあるんですね?」
K「もちろんだ。たとえば、その弱い自分にからだを支配されてしまった場合、この作品を書く気力を失ってしまったりだとかするわけだ」
ヨミ「それは困りますね」
K「ちなみに、このとき少し危なかった」
ヨミ「Kさんがですか?」
K「まあね。でも持ち直したよ。原因はいろいろあると思うけど、今は大丈夫だ。とにかく負けないようにしたい。そんな自分にはね」
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